謎のゴム輪
早速ですが、“あるもの”とはこれです。


このことに気付いたのは2年ほど前でした。私は片手袋研究が本業なので、どうしても落ちている物には敏感になるのです。

「なんか最近よく見るな」と気付いた途端、外に出れば必ず視界に入るようになりました。

これはなんなのか?
「正体を突き止めねば」と頑張るまでもなく、最初からキャリーケースの車輪に付けるものだと見当つきました。

早朝、キャリーケースの「ガラガラッ」という音が町に響いて(迷惑だろうな)と焦った経験が誰しもあると思いますが、これを付ければ消音効果が期待できますし、舗装が粗い道路でもスムースに移動できそう。
確かに便利な商品だとは思うんですが…。落ちてしまってるんですよ、とんでもない数。

商品として完成形に至っていないのか、ポロポロ車輪から外れてしまうようです。
上野を調査
現在の東京の路上にどれくらいゴム輪が落ちているかを読者の皆様に実感して頂くため、妻と共に調査を行ってきました。
調査地に選んだのは、最初にゴム輪の存在に気付いた上野。さすがに落とし物と言うよりゴミだと思うので、見つけ次第トングで回収します。



ところが公園口周辺はとても綺麗で、ゴム輪どころかゴミも落ちてません。林編集長には事前に「もう幾らでも落ちてます!」などと力説していたので焦りました。綺麗なのに焦るってなんなんでしょうか?


僅か2時間で…
そこからはもう、休む間もありませんでした。




途中から何かのゾーンに入ってきて、分かり辛い場所に落ちてても瞬時に見つけられるようになりました。

約2時間後。30リットルのゴミ袋がこんもりするくらい収穫できました。


調査結果から分かったこと
調査の過程や結果を経て、幾つか分かってきたことがあります。まずは2025年4月7日午前9時から11時までの調査結果です。

分かったこと①高台より低地
明らかに公園口・パンダ橋口など高台の出口よりも、上野広小路口から入谷口にかけてと京成上野駅周辺といった低地に多く発生していました。

分かったこと②まとまって落ちている
落ち方の傾向がありました。イメージとしては以下のような感じです。



しかし「まとまって落ちている場所=キャリーケースの車輪からゴム輪が外れやすい場所」ではなく、「まとまって落ちている場所=車輪から外れたゴム輪が最終的に辿り着く吹き溜まりのような場所」だと思います。つまり「発見場所≠発生場所」ということです。