特集 2025年6月7日

牛乳パックみたいな日記を作る

楽しかったです

牛乳パックには牛がいる。

実際には色んなデザインがあるが、抽象的に「牛乳パック」を思い浮かべた時、下の方に牛を思い描く人は多いと思う。

牛乳パックの風景は良い。美しい草原があり、空は晴れていて見通しが良く、牛はそんな素敵な日が当たり前かのように悠々と草を食べている。この風景はずっとあったし、これからも続いていくのだろうなということが分かる。

そういう牛乳パックらしさを、他のものに活かせないか試してみました。

1987年東京出身。会社員。ハンバーグやカレーやチキンライスなどが好物なので、舌が子供すぎやしないかと心配になるときがある。だがコーヒーはブラックでも飲める。動画インタビュー

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とりあえず真似してみる

これがうちにある牛乳。

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牛がいて、草を食べている

のんびりと過ごす牛。草の緑と空の青。かなり頭の中の牛乳パックに近い。

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まず、これになってみよう

晴れた日を狙って公園に行った。広い芝生と、ちょうどいい場所に牧場っぽい柵もあった。牛は用意できないので、僕が牛の役をやる。やると言っても芝生の上でぼーっとするだけである。

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この写真を牛乳パックの形にして、
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牛乳っぽく文字を入れたら完成である

牛乳パックみたいに牛乳の感想を書いた。牛乳パックっぽいのに全然牛乳じゃない、変なものができた。場所や天気が良かったと思う。雲の流れ方とかすごく牛乳っぽい。

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牛乳パックみたいな食レポをする

さっきの牛乳の感想、食レポと捉えることもできる。牛である僕が食べていたら完璧だろう。

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ぶどうパンを食べる
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食レポ

文字がたくさん入らないので当たり前のことしか言えないが、それでもおいしさが伝わってくる。牛乳パックみたいだからだろう。

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オレンジジュースも飲んだ

とても良い。中央の、大きな文字のところはひらがなと漢字を混ぜるのがコツかもしれない。できれば前半ひらがな、後半漢字がベストである。「おいしい牛乳」「よつ葉牛乳」「まきばの空」などを思い出してより牛乳っぽくなる。

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ただ、これはいけない
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分かるだろうか。牛がカメラ目線なのだ。

牛はこちらのことなんか考えずに悠々と過ごしていなければいけない。それが牛乳パックの牛らしさである。

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牛乳パックみたいな日記を書く

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例えばそう、公園で笛を吹いて過ごしたとしよう
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こういう日記になる

相変わらず情報が全然ないが、充実した雰囲気は伝わる。牛乳の牛みたいに健やかに過ごしたのだな、と分かる。

 

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こんなの最高である

牛が好きなように過ごしていればいるほど牛乳パックらしくて良いなと思う。

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おおらかな雰囲気が出る

食レポも日記も、牛乳パックらしいおおらかな雰囲気に包まれてくれた。

仕事のメールや確定申告なども全部牛乳パックみたいになって欲しい。

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暑中見舞いとかいいかもしれない。この場合はカメラ目線でもいい
 
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あとがき
自転車の鍵をなくしていた

牛乳パックの牛になるために、公園で撮影をした。順調に終わってさあ帰ろうという時、自転車の鍵がないことに気が付いた。ズボンのポケットに入れたはずなのに、パンとジュースを買った時のレシートしか入っていない。

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落としたな。この時

このズボン、ポケットが浅いのだ。何度か鍵やスマホを落としたことがある(だったらそこに大事なものを入れなければいいのに!)。

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寝転んだと思われる場所に行ってみるが、見つからない

当てがあるんだからすぐに見つかるだろうと思ったが、見つからない。しゃがんでしばらく草をかき分けてみるが、見つかる気配がない。近くで見るとちょっと背の高い草のゾーンもある。こういうところに鍵を落としたら中に埋まって見えなくなってしまうだろう。あまりにもないので「本当にここで落としたのか?」と疑いたくなる。

ああ嫌だ。帰れなくなった。泣きそうになりながら草を書き分けること30分。近くの保育園のお散歩の時間らしく、園児たちが遠くで遊びだした。場所が離れていて良かった。派手な赤や黄色の帽子が、蛍みたいにチラチラ揺れていた。

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みんな楽しそう

その間僕と言えば、撮った動画のしゃがんだり寝転んだシーンを見返し、一か所ずつ疑わしいゾーンをつぶしていた。しゃがむ回数が多くてキリがないが、やるしかない。

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根気が尽きました

数か所当たった時点で頭がクラクラしてきた。いけない、熱中症になってしまう。そんな時に保育園のお散歩の時間も終わり、みんな帰ってしまうと一層心細くなって心が折れてしまった。

探すのをやめて、一旦自転車を安全な場所に移動させた。後輪を持ち上げて転がすのだけど、電動自転車なのですごく重い。それから公園の事務所に聞いてみるが落し物は届いておらず、歩いて家へ帰ってスペアのキーを探すがはじめからそんなものはなく、やることが全て空振りに終わった。

仕方がないので公園の隅に一晩置かせてもらう許可をもらって、歩いて家に帰った。

翌朝、妻の鍵を借りて自転車を引き取った。これから鍵を新しく作ってもらえるようメーカーに問い合わせることになる。すごく面倒臭い。

面倒だ面倒だと思いながら現実逃避みたいな気持ちでこの記事を作った。鍵を落としたことにまだ気づいていない時の写真を使って、牛乳パックみたいな画像を作ったのだ。なくしたことに気が付いている自分がそれを見ておもしろおかしく思えるか心配だったが、ちゃんと少し苛立ち、おもしろくも感じた。

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編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
こんなにも牛乳のパッケージっぽい天気に恵まれたのはラッキーでした。
そして、この記事の最大の驚きは自転車の鍵をなくしたことです。失くしたことに気づかずに撮影している自分を写真で確認するのはつらかったでしょう。(橋田)

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